病院の建築空間

"建築設計者として望まれる病院の建築空間について述べます
大学院修士課程を卒業し東京の大きな組織設計事務所に
就職しその事務所に在籍した10年間にかなりの数の大きな
病院の設計にかかわりました 当時25-35才の10年間です
そのような組織事務所では40-50才になると管理職になり
直接設計にたずさわることは少なくなります 大きな事務所が設計する大きな建物も実務を担当するのは20-30代の若手
の設計者です 彼らはまだ若く入院経験のあるものはほとんどいませんし、重い病気にかかったこともなくそのような患者
の体や心の痛みを想像できません また大学時代から設計
を志す者はかっこいいデザインにあこがれています
それは一言で言うと暖かい人間中心のデザインというよりも
シャープでクールでダイナミックなデザインです
したがってよく大学病院が舞台テレビドラマに出てくるような
白を基調としたかっこいい病院が建っていきます
以前よりデザイン面で進歩したとはいえますがそれが実際
診察を受ける患者、病棟に入院する患者にとって本当に
望ましい空間であるかというとたぶんそうではありません
ただでさえ病気で気が弱っている患者にとって権威主義的
な「どうだ」という建物は神経にさわります これからの病院はもっと曲線があって気持ちが安らかになる空間が望まれます"